社交

ざんねんな人間図鑑

みぎへならえ

本を書く人になりたい。ことばとか、そういうので人をちょっと夢見心地にさせたい。図書室で本を読んだ後、帰り道の廊下。読んだ本のことばのひとつひとつがわたしに取り込まれて、ひとりよがりな思考の口調もどこか、文豪たちのことばと同じ色が染み付く気がするのだ。
ことばを書けるならなんでもいい。そんなら本でも、歌でも、なんだっていいのかもしれない。その機会が欲しいだけ。
今の不安が無事消えてなくなったら、列を作っている次の不安がやっと自分の番かと詰め寄ってくる。もういらないよと突っ返すこともできないで、列の終わりがさっぱり見えなくて絶望してしまう。永遠に思えるその列は、わたしを死にたくさせるのには十分な理由になるかな。この列が視覚化できたらみんなに見せつけて、こんなにわたしは悲しくて切なくなる予定があります、だから死にます。だなんて軽々しく言えるのに。理由が見えないから止めるのだ。おとなたち。しんでしまったあとに理由を探す。とってもいい子でした。まさかこんなことになるなんて。信じられません。モザイク処理で隠された、内緒の加害者たちを見ている。わたしの嫌いな人を重ねてみる。無意識に、八つ当たりをしていることに気付く。あなたの正義はわたしにはわからないけど、わかろうとも思わないけど、きっとあるんでしょう。わたしにもあるよ。わたしの正義があるよ。大昔にみんなのに押し退けられてしまったけど。